心の病や精神的苦痛がなぜ生じるのでしょう。
そして、それはどうすれば治せるのでしょうか?!

その答えを、脳機能を踏まえながらもう少し探求していきましょう!!
そうすることで、私たちの心の問題を解消することができる答えを見出せるのです。

たとえば、
「自分を責めていないと、自分がダメになってしまうように感じる」…このような強迫観念が生じてしまう人がいます。
責めることと、前向きに改善していくこととは違います。
責めることは、自分を否定することは、ストレスを生むだけ…。


感情的になると、トラウマに振り回されるだけ…。


悩んでいる脳は、正常には働かないのです。


自分の思いが、自分を洗脳していく。 
間違った方向へ自分を洗脳すれば、自分を破壊してしまうのです。



人が精神的苦痛や身体的症状を感じるのは、脳の中心部にある扁桃体を中心とした大脳辺縁系(情動系)の混乱した働きによるものです。
この大脳辺縁系は、トラウマによって影響を受けた部位なのです。
この脳部位の混乱を鎮めることが、“治す”ことにつながるのです。
その為には、情動系を制御することができる、唯一の部位である、前頭連合野の調整が必要になってきます。
この調整を行うことを、認知の修正と呼んでいます。
認知の修正が正しく行われることで、事態や環境に対して、正しい反応ができるようになるのです。・・・・(情動認知スタイルの是正)

情動認知スタイルとは、私たちが日常の生活の中で受けるストレスをどのように対処・処理して生活しているかという条件反射的スタイルなのです。

私たちが、心の問題を改善するときに、過去のトラウマとなった出来事を振り返ることが重要なのです。
それは、過去の環境や出来事が、どのように自分自身の心に影響を与えたのかを認識し直すためなのです。
それが正しく認識できた時に、情動認知スタイルを変えることができ、理性による情動系の制御ができるようになるのです。
こうなれば、心の病や、それによって生じている身体症状や、人との関わりによって生じる心理的苦痛から自分自身を解放することができるようになるのです。






幼児期の虐待と摂食障害
何も食べられなくなる拒食症、食べたものを吐いてまで食べ続ける過食症などの摂食障害は、幼児期に受けた虐待や、母親から与えられる愛情に満足できずに育った場合など、愛情に飢えた状態が背景にある。
人は、お腹がすいたら食べ、満腹になったらやめるという、食欲のコントロールを行っている脳の場所がある。これは、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢によってなされている。また、これらの中枢の近くに集団欲(家族関係など良好な人間関係の中にいたいと願う、生まれ持って備わっている本能)の中枢も存在している。したがって、幼い時に虐待を受けると、集団欲の中枢にダメージを受けると同時に、近くの摂食・満腹中枢もダメージを受けていまう。


幼児期の虐待により、脳の集団欲の中枢にダメージを受ける。
その後、思春期になる頃、自己否定の方向へ向かう。

虐待などで、ストレスを受けて育った子供は、海馬が委縮し、ストレスホルモン(グルココルチコイド)を減らす機能が低下している。この状態は、強いストレスを受けて、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を引き起こしている人と同じ。
虐待を受け、親からの適切な愛情を受けられないで育つた子どもは、大人になってから、ストレスに対抗するための力が弱い。・・・情動認知スタイルの形成


幼い子供は、食事が与えられただけでは満足しない。親とのスキンシップなどの適切なコミュニケーションによって、 安心感や満足感を得ている。


胎児の聴覚野は約30週で出来上がるために、母体の中で、生まれるまでの約10週間は外界の音を聞いていたと考えられている。