前頭連合野とはどのような働きをするところでしょうか。
衝動に動かされず、理性にしたがって、五感から集まってきた情報を整理・統合し、理解して、それに基づいて様々な価値判断や意志決定をし、指令を出す司令塔です。
人は前頭連合野の発達に従って、人間としての知性と心を獲得しているといえます。
前頭連合野にダメージを受けると、人格や情動の障害を生じるとともに、知的機能の障害もみられます。
前頭連合野がつかさどる機能は、計画の立案、将来の予測、時間の判断、情動の抑制、ワーキングメモリなど、多岐にわたります。
善悪の判断、創造性、やる気、反省、希望、野心や自己顕示欲にも深く関係しています。
人間として社会活動を行っていくための動機付けをする根柢の部分を支えています。
例えば、性格が変わる、意欲がなくなる、過去の経験をふまえて将来を予見することができなくなる、順序よく段取りを立てて物事を遂行することができなくなる等。
前連合野=自我、意識の中枢。注意、判断、意志決定、思考、反応の組織化、計画性などの知的機能を司る。
大脳辺縁系が司る本能的欲求や情動を抑えたり調整する。
前頭連合野=「最高次の連合処理」を担う「脳の最高器官」であり、「知性の座」であると述べています。(ロシアの心理学者、ルリア 1980年)
前頭連合野は、人生の経験から得た全ての情報を組み合わせ、自己観察と認識・思考を意識的に行っています。
そして、人間らしい心を生み出すこの脳の部位は、時として、目的の為に自己犠牲を払うような決断もするのです。
ヒトの前頭連合野の占める比率は、大脳皮質全体の約30%です。そのことが、人間が社会性を持って、人間らしい生活を送ることができるゆえんといえます。