大脳辺縁系の働きは、好きか嫌いかを過去の記憶から判断し、好きと判断した場合は意欲を起こし、嫌いと判断した場合は、それを避けるための信号を発します。そうした動物としての原初的な行動の源となっている部位です。そして、その信号を記憶し保存する機能があるため、情動(トラウマ)の座ともいわれます。まさにトラウマは大脳辺縁系に記録され、無自覚のうちに私たちの心情や行動に影響を与え続けているのです。
やる気を作り出しているのも大脳辺縁系
大脳辺縁系の中で、海馬同様に重要な役目を果たしているのが、脳の中心近くになる小さな器官“側坐核”です。(辺縁系には含まれません)
これは“やる気の脳”とも呼ばれる部分で、前頭連合野から「何かを始めよう」という指令を受けると、側坐核が扁桃体や海馬と相談しあいながら、それが好きなことであるかどうかを判断し、やる気を出すかどうかを決めています。
側坐核は直径約2.5mmの小さな核で、前頭連合野と他の脳との接点となって、前頭連合野の働きをコントロールしています。
帯状回は大脳皮質の一部です。
左右の脳の内側面で脳梁の真上の部分です。いわゆる、大脳縦列の皮質(神経細胞がある層)の領域といえます。