脳科学と催眠療法の融合
脳の原理に基づいて、催眠の理論と技術を活用することにより、
無意識に働きかけることができます。
無意識の領域には、心の病を引き起こす要因が存在しており、
これを改善するために催眠の手法が役立ちます。
催眠療法の手法は、娯楽番組で見られるような催眠とは異なります。
それは、脳の辺縁系(無意識領域)に対して適用され、
意識的なコントロールが困難な感情や思考パターンに影響を与える
ことを目的としています。
心の病は、脳の働きに異常が生じることが原因であることを理解する必要があります。これには、神経伝達物質の分泌異常や脳細胞レベルの問題が含まれ、さらには遺伝子レベルで脳細胞の設計図に変化が生じることもあります。しかし、最新の研究によれば、これらの状態は元の正常な状態に戻る可能性もあることが明らかになっています。脳科学の進展により、脳機能と精神世界の関係をより深く理解することが常識となりつつあります。
このような背景の中で、現代の催眠療法は、単に催眠をかけて暗示を与えるだけでなく、いかに効果的かつ持続的に心の病を改善できるかという点を考慮した心理療法に基づくアプローチが求められています。古典的な心理・催眠療法を脳科学の進歩と組み合わせ、新たな科学的知見に基づいた方法で実施する時代が到来しています。
“心の病”や“精神的苦痛”の治療には、
「理性の理解と感情の納得」が不可欠であると、
著書『脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」』で述べています。
この内容を脳科学的視点から視覚的に解説していき、新たな催眠療法によって心の病を治し、希望を叶える道を示します。
物事の理性的な理解は、人の脳における前頭連合野の機能です。
この領域は意思決定や問題解決などの高次認知プロセスに関与します。
一方で、感情の処理は大脳辺縁系が担当しており、恐怖や快楽といった強い感情反応に関わっています。
これらの脳の部位は互いに影響し合い、全体の脳機能を形成しています。
心理療法では、会話が理性の座である前頭連合野に作用し、認知の修正を促進します。
催眠状態での会話と暗示は、感情処理の中心である大脳辺縁系に影響を与え、トラウマにより形成された感情の解放を行います。これにより、過去のトラウマが無意識下で心に与える影響が減少します。
催眠療法では、過去のトラウマ体験を再体験させるとともに、理性的な視点でその出来事を処理させます。これにより、苦痛や不適切な心理的影響をもたらす記憶を変容させ、過去の記憶が無意識に抑圧される必要性を解消します。
クリックで催眠の世界へご案内します・・・ 催眠状態という心(脳)の現象は、
私たちの人生そのものを変える力を持ているといえます。
サブリミナル・パーセプション(無意識領域に働きかけるマインドコントロール)は、
本人の自覚なく、脳内で情報が神経細胞のシナプスを通じて処理される現象です。
催眠のテクニックは、半覚醒状態(変性意識状態)を活用し、心(脳機能)に影響を与える能力を持っています。これにより、本人の自覚なしに、脳内に情報を無抵抗にインプットすることが可能になります。
特に心理療法においては、本人が理性的に理解し納得した内容が、催眠状態下で容易に受け入れられ、持続して定着するようになります。