扁桃体・・・
トラウマとなる感情を伴う記憶を残しています。
扁桃体を中心とした領域で、過去に体験した様々な解不快の感情の記憶。
これらは私たちの人生において絶対に必要なことではあります。
しかし・・・、
こうした感情の記憶が、長期の精神的ストレスを伴ってしまった場合、脳内では誤作動を起こし、
扁桃体周辺の感情の記憶の処理がうまくいかなくなり、
トラウマという困った現象を私たちの人生に与え続けるのです。
それによって、心の病へと進行してしまうことも多くあります。




記憶には、感情の記憶と、出来事の記憶があります。
扁桃体中心の感情の記憶は、消え去ること無く残り続けているといわれています。
出来事の記憶は、一部しか残りませんので、
私たちの脳内では、出来事とはリンクしない感情の記憶が多く残っているといえるでしょう。
こした、出来事とは結びつかなくなった感情の記憶が、私たちの日常生活の中で、
無意識的に反応して、私たちを混乱させていることが多いのです。


感情の記憶と出来事の記憶、この二つは脳内の全く別の神経細胞によって処理されます。
感情は扁桃体を中心とし、出来事は海馬を中心としています。この二つの神経細胞の集まった構造物は近くには存在して互いに情報交換をしていますが、別物といってよいでしょう。




海馬・・・
海馬とその周囲の海馬傍回の記憶は、エピソード記憶といって、
生まれてからの出来事の記憶を記録して、時間の経過とともに整理されていきます。
この海馬の短期記憶は、前頭葉のワーキングメモリーといわれる領域とも連結し、様々な気功や判断に記憶を活用しています。
ただ、時間の経過とともに、この短期記憶は整理され、長期記憶として残される記憶と消されていく記憶とに分かれます。

長期記憶として残される内容は、側頭葉に移されていきます。
様々な学習の記憶もここに移っていきます。


ただ問題は、
私たちがなぜトラウマと呼ばれる過去の記憶によって苦しめられるのかということです。
過去の記憶が、将来に活かされること無く、私たちを心の病へと追いやっていくのです・・・。

続く>>>