脳科学と催眠療法の融合 Ⅱ
催眠は本当に人を簡単に変えることができるのでしょうか?
答えは「はい」
ですが、正確には、催眠感受性が高い人が一時的に変化するだけです。
では、変化を持続させるにはどうすれば良いのでしょうか。
催眠は大脳辺縁系に働きかけますが、心理療法による前頭葉への影響も重要です。
前頭葉は理性の中心であり、脳の総司令塔として機能します。
心の問題を根本的に解決するためには、この領域の役割が欠かせません。
多くの人は、催眠療法を暗示を与えて苦痛から解放する方法と認識しています。
このような伝統的な催眠療法のアプローチは古くから存在し、今でも広く行われています。
しかし、脳科学の進展により、心が脳の活動から生じることが証明されています。
現代において、心の病を正しく理解するためには脳科学に基づいた知識が必要です。
意識と無意識の働きをする脳の領域は別々に存在します。
催眠暗示による無意識への影響だけでは不十分であり、理性の調整も必要です。
トラウマは、情動系に残る感情の記憶とそれに基づく脳神経の条件回路です。
この影響を制御することが、根本的な治療と言えます。
そのためには、心理療法が重要な役割を果たします。